なぜ、世界はヨーロッパ中心に発展したのか。
なぜアフリカやアメリカ大陸ではなかったのか。
この問いに対して
「人種の優劣」や「知能の差」で説明しようとする考え方は、
直感的ではあるが、事実とは異なる。
ジャレド・ダイアモンドの名著
『銃・病原菌・鉄』は、
この問題を人間そのものではなく、環境と歴史の積み重ねから説明する。
この記事では、本書の核心を
3分で理解できる形にまとめる。
3行でわかる『銃・病原菌・鉄』
- ヨーロッパが他地域を圧倒できたのは、銃・病原菌・鉄を持っていたから
- それを可能にしたのは、人口を増やし複雑な社会を築けたこと
- さらに遡ると、その根本原因は食料生産(農耕)への移行にあった
なぜヨーロッパは「銃・病原菌・鉄」を持てたのか
結論から言うと、
技術や知性が優れていたからではない。
生活様式を
狩猟採集から食料生産へ切り替えられたかどうか
この一点が、歴史を大きく分けた。
狩猟採集社会の限界
狩猟採集社会では、
食料の確保に全員が関わる必要がある。
そのため、
- 人口は数人〜多くても百人規模
- 定住が難しい
- 社会は単純な構造になりやすい
という制約があった。
農耕がもたらした人口爆発
一方、農耕社会では、
- 安定した食料供給
- 余剰生産の発生
が可能になる。
結果として、
- 人口が急増
- 食料生産以外の仕事をする人が生まれる
王族、政治家、職人、軍人、学者――
複雑な社会構造が形成されていった。
銃と鉄は「結果」にすぎない
鉄器や銃は、
突然どこかから生まれたわけではない。
- 鉱山を掘る人
- 加工技術を研究する人
- 武器を運用する組織
これらを支えられるのは、
余剰な食料を持つ社会だけである。
つまり、
銃と鉄は原因ではなく、
食料生産が生んだ「結果」
だというのが本書の立場だ。
実は最も多くの人を殺したのは「病原菌」
意外に思われるかもしれないが、
歴史上、最も多くの命を奪ったのは銃ではない。
病原菌である。
農耕・人口密集・感染症
農耕社会では、
- 人口密度が高い
- 人が長期間同じ場所に住む
この環境は、
感染症にとって理想的な繁殖条件となる。
家畜がもたらした免疫
さらに重要なのが家畜の存在だ。
- 牛
- 豚
- 羊
- 山羊
- 馬
これらの家畜と長く共存した結果、
人間は動物由来の病原菌への耐性を獲得していった。
しかし、その免疫を持たない地域に病原菌が持ち込まれると――
社会そのものが崩壊するほどの被害が出た。
ここまでの整理
ヨーロッパが強かった理由を整理すると、次のようになる。
- 銃・病原菌・鉄を持っていた
- それを可能にしたのは、人口と社会構造
- さらに根本には、食料生産への移行があった
重要なのは、
人種でも能力でもなく、環境と偶然の積み重ねだという点である。
では、次の疑問が浮かぶ。
なぜ食料生産に成功したのは
中国や中東ではなく、最終的にヨーロッパだったのか?
次の記事では、
「場所ガチャSSR」とも言える地理的条件について掘り下げていく。
👉
なぜヨーロッパだったのか?場所ガチャSSRの正体
📘 本記事のベースになっている一冊
この記事は、ジャレド・ダイアモンド著
『銃・病原菌・鉄』 をもとにしています。
なぜヨーロッパが世界を制したのかという問いを、
人種や能力ではなく、地理と環境から解き明かす名著です。
歴史の見え方を一段深めたい方は、原著も参考になります。
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